「破風」と書いて「はふ」といいます。破風とは、切妻造(きりづまづくり)や入母屋造(いりもやづくり)の屋根にある、両端の三角になっている部分のことである。寺院・神社・城郭や書院造の建物などで多く見られます。

本破風(ほんはふ)・流(ながれ)破風・千鳥破風・唐(から)破風・縋(すがる)破風などの種類があります。城郭建築や寺院建築の妻部分には、格子やしっくい、豕扠首(いのこさす)などの化粧材があります。幅の広い破風板にしっくいや黒漆などを塗布し、彫刻を施した板が取り付けられていることもあります。

一般的な家屋の場合、昔は耐風性や雨水への対策を考えて、破風には強度があってある程度の厚みを持った木材が使われていた。現在では耐火性と耐久性が重視されて木材が使われることは少なくなり、窯業系サイディングや合成樹脂製、ガルバリウム鋼板など金属製のものが増えています。

破風に似たもので鼻隠しがあるが、屋根の側面にあって雨どいの金具を取り付ける屋根の長い部分が鼻隠しで、雨どいを付けない屋根側面の先端部分が破風となります。鼻隠しは屋根の下にある垂木の切り口を隠す役割があり、破風は屋根裏へ風の浸入を防ぐ役割があります。