フーチングとは、柱や壁をささえる鉄筋コンクリート基礎の広がっている部分を言います。フーチングは、基礎、足元、足場、足掛かりの様に地盤を支える意味を持つ、英語のフッティング(footing)から派生した和製英語となります。日本では俗に「ふうちん」とも言います。建築の基礎は「直接基礎」と「杭基礎」の2つに分類されますが、フーチングは「直接基礎」になります。

住宅等で多く用いられる布基礎(ぬのきそ)の場合、地中梁の下部に梁よりも幅の広いフーチングを設け、建物を支えます。断面はTの字を逆さまにした様な形状となります。独立基礎の場合も主要な柱の底部に、独立した基礎とフーチングを設けます。直接基礎の場合、接地面積を広げることで、接地圧(せっちあつ)を分散させ、地盤の強さである地耐力(ちたいりょく)より小さくします。

建物の基礎としては、建築基準法施行令38条で規定されています。フーチングは平成12年に建設省(現在の国土交通省)の告示により、布基礎とする場合の規定が示されました。「地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度(単位 kN/m2)」、「建物の構造」、「平屋建て・2階建て、その他の建築物」で、底盤の幅(単位㎝)が示されています。