陸屋根(ろくやね、りくやね)とは、傾斜の少ない平面的な屋根のことです。平屋根(ひらやね)とも呼ばれます。住宅等では瓦や鋼板で屋根を葺くため傾斜を設けますが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物の場合、屋根はコンクリートで作り、アスファルト防水やシート防水を用いて雨水の侵入を防いでいます。陸屋根の場合、雨水を樋まで導く傾斜は1/50~1/100程度であるため、屋上としてバルコニーや屋上庭園、設備機器の置き場として用いることが出来ます。陸屋根の場合、一般的には張り出した庇や軒を設けず、建物外周部にパラペットと呼ばれる立ち上がりを設けて防水の巻き上げを行います。
よって、建物の下から見上げた場合、屋根は見えず真四角な形状に見えるようになります。屋上での歩行も可能なことから、樋の掃除やメンテナンスも容易となります。ただし、防水の補修を怠ると傾斜が少ないことから水たまりが出来やすく、その部分の防水劣化から漏水が発生し易いデメリットもあります。防水部分の定期的な点検、補修が大切となります。また、傾斜屋根に比べて小屋裏空間が少なく、夏季に受けた日射がコンクリートに蓄熱された熱が最上階に伝わることから十分な断熱も必要となります。