建付けとは、ドア、障子、ふすまといった建具と、柱や建具枠との納まり具合のことをいいます。納まり具合の状況に応じて、「建付けが良い」「建付けが悪い」と表現します。

建付けが良いと、建具がスムーズに開閉でき、閉めると枠に隙間なく納まります。建て付けが悪いと、建具の開閉時に引っかかりがあったり、開閉そのものが困難になったりするのです。また閉めた際の状態では、建具と枠の歪みが視認できます。
建付けが悪くなる要因としては、家そのものの傾き、建具枠の歪み、蝶番の緩みなどが挙げられます。このような状態になるのは、経年による他、扉や枠に使用されている木材の湿気による伸縮、あるいは地震や地盤沈下による歪みなどが原因と考えられます。

片開き戸で、ドアの小口と枠が擦れるような場合、調整機能付き蝶番であれば、前後、左右、上下の調整ねじを回すことで、ドアを適正な位置に戻すことができます。

片引き戸で、ドアに傾きがあり開閉に支障をきたす場合は、調整ねじを回すことで戸車の出が調整できるので、扉を水平な位置に戻すことができます。

しかし、建物内の多くの建具の建付けが悪い場合は、建物全体が不同沈下などによって傾いていることが考えられます。このような状態であれば、もはや建付けの問題ではありません。家全体の改修を必要としているのです。