「飼い木」とは、木材のこと。
飼い木は物の間にはさむためのもの、物の幅を調節したり間を埋めたりするためのものである。
飼い木の他の呼び方として、「飼い物」「支物(かいもの)」「枕」などが挙げられる。

建物の柱同士をボルトで連結する際にボルトが通る木材、ふすまや障子戸の隙間を埋めるための木材なども飼い木という。

建築工事の現場において、重量物を一時的に置くために使用する角材も飼い木の1つである。隙間幅の調節や隙間を埋める用途以外に、材料を安定させるという目的で飼い木を使用する場合もある。
飼い木は仮設物として扱われることが多いが、建物が完成してからも飼い木を残置する場合は固定しておくことが望ましいとされる。

また、合せ梁(1本の梁では強度が足りない場合に上下に梁を重ねて用いるもの)にも飼い木が用いられる。
飼い木を合せ梁の間に挟み、ボルト・鋼板・C型鋼などで締め合わせることで、梁の強度を高めることが期待できる。

さらに、基礎と土台の間の隙間を確保するための通気部材を挟み、浮かせた土台によって床下換気を行う工法のことを「猫土台(基礎パッキン)」といい、この「猫」は飼い木を指す。
床下の換気をすることで土台に湿気が行き渡らないため、基礎の腐食を防ぎ耐久性を高められる。