当たりとは、建築業界では様々な意味があります。

①接触している意味を示し、部材の仕上がり位置を示す言葉となります。床をコンクリートで仕上げる場合、その高さを示すものが「当たり」となります。土間床の金鏝(かなごて)仕上げをする際、部屋の中心にサイコロ状のコンクリートを配置し、周囲にマスキングテープなどで仕上げ高さを示します。左官職人はその高さに合わせて平らに均してゆきます。この当たりのことをレベラーとも言います。

②突出している部分、邪魔な部分を示す言葉となります。壁を仕上げる際に、既定の位置から飛び出た部分を取り除くことを「当たり取り(あたりとり)」と言い、部材間の馴染みをよくします。

③数量の割合のことを言います。「1㎡当たり」、「1坪当たり」等で表わし、建設で用いる部材の数量、価格の目安に用います。塗装工事の場合1㎡当たりの塗料の使用量を示し、塗装面積に応じて総量の算出に用います。防水や仕上げ工事の積算の場合も1㎡当たりの単価を設けて工事費の算出をすることがあります。建築業界の場合、尺貫法の1坪(約3.3㎡)を用いることもあり、建設費を建設する坪数で割った金額を算出し、「1坪当たり」の単価としておおよその目安を示すこともあります。