ファサードは、建物を正面から見た時の外観のことを意味しています。フランス語が由来だとされています。マンションの場合でいえば物件のステータスの象徴として認識されており、建物の顔、メインともいえる箇所です。高さや構造などによって、特徴的なデザインが駆使されていることが多いです。例えば、気品や斬新性、重厚感、落ち着きなどそれぞれの建物の個性が追求されています。

加えて、街並みとの調和や植栽などとのバランスも考慮されることがあります。タワーマンションや大型マンションのケースは、街の景観に大きな影響があるので、デザインには注意が必要です。

また、歴史的な建築物の保存として、ファサードを保存している事例もあります。建築物の正面部分や正面の一部のみを保存する手法です。都市の再開発と歴史的構造物の保存を両立する手法として知られています。建て替えが難しく、街路景観の形成に多大な影響があり、歴史的価値が高い場合に選択されます。日本においては、主に土地の高度利用のためにファサード保存が用いられます。再開発で用いられた場合、背面を高層建築とするケースが多くみられます。例えば、損保ジャパン横浜馬車道ビル(旧川崎銀行横浜支店)などが該当します。