エスキース(esquisse)とは、フランス語でスケッチなどの下書きのことを表し、設計の初期段階の構想検討のことを言います。設計を開始する時に、クライアントの要望や敷地の条件などを元にどのような建物にしてゆくかの方針、コンセプトを立てて行きます。建築設計はそのコンセプトを元に各種条件を頭の中や図面の上で更に検討を進めます。配置、大きさ、高さ、工法、素材など、色々なパターンを考えて行きます。

その際にスケッチやキーワードの羅列を行います。自分一人で考えをまとめる為にも有効な手法ですが、誰かと相談をする場合には、自分の考えを伝える為には何らかの絵や言葉が必要となります。その思考をまとめて行くことをエスキスと言います。エスキスを行い、設計構想をまとめてやっと、柱や壁のある平面図の作図をして行きます。エスキスは建築設計を学ぶ際に、最初に行う作業となります。指導を受ける先生や先輩に自分の考えについて相談をする際に、言葉だけではなく、描いたスケッチを用います。

漠然としていた考えが、だんだん具体的になり設計の構想をまとめて行きます。これを基本計画とも言います。次に実際に図面を描き始め、当初自分が考えていた通りの建物になるか確認していきます。その段階を基本設計と言います。その後に実際に積算や施工が行える図面を作成してゆきます。これを実施設計と言います。エスキスで考えていた建物がだんだん具体的になり、設計が終わる頃には、更に現実のものとなってきます。エスキスを十分に行い、当初の考えをまとめることが、いかに大切かが分かります。