設計図書(せっけいとしょ)とは、建築工事を実施するために必要な図面や仕様書のこと。建築士法に設計図書についての定義がある。なお、建築士が設計する時に図面などを書く場合もあるが、それらは設計図書には含まれない。
設計図書を作成する目的は主に以下の3つ。デザインや寸法などの表示・契約時の資料とする・見積の作成である。設計図書の著作権は、当該建築物を設計した者に属する。

設計図書(せっけいとしょ)と設計図(せっけいず)は混同されやすい。設計図書は、建築工事に使う図面と仕様書を総称したもので、工事目的や施工方法などを具体的に記す。設計図は、原図や青焼き図に仕様書を合わせた内容になる。
設計図書は建築物の規模や構造などで内容が変わる。また、設計図書には優先順位があるとされ、高い順に質問回答書・現場説明書・特記仕様書・設計図・標準仕様書。記載内容に差異がある場合は、優先順位の高いものを参考にする。
国土交通省は、設計図書の作成基準を公表している。用紙サイズはA1またはA3とする・用紙の長辺を横方向で使用する・輪郭と表題欄を設けるなど、細かな規定がある。

建築士法では、工事監理について定めたものがある。それによると、工事責任者が設計図書と施工中の工事を照合して、設計図書の通りに実施されているか確認することを工事監理という。さらに、設計図書を作成日から15年間保存する義務が課せられている。