DPG(クワトロポイントシステム)構法とは、ガラス建築の施工方法の一つです。一般的には、ガラスを留める際には、サッシ枠を作り、中にガラスをはめ込みます。この、サッシ枠が必要なくなる工法がDPG構法です。DPS構法は、サッシ枠を必要とせず、ガラスの四隅に穴を開け、特殊な金物(ポイントグリップ)で固定する工法です。基本的に、四隅に皿孔加工をした強化ガラスが標準的に使用されますが、条件を満たせば、倍強度ガラスや、強化ガラスで構成される複層ガラスなどにも対応可能です。サッシを設けないことから、フラットで透視性の高い、ガラスの魅力や特性を生かし、デザインの幅が広がります。透過性に優れるため、デザイン重視の階段の手すりなどの、ガラス板にも使用されることがあります。

●耐震性能
・面内変形への対応
面内の変形への対応は、ガラスと金物との間にある遊びにより、地震などで強い力を受けたときの変形を吸収する機能を持っており、ガラスを無理に拘束しません。地震時の層間変位でガラス一つ一つが揺れ動き、強度を保ちます。
・面外変形への対応
面外の変形への対応は、フィッティング・ボルトと金物との間の、ライナーディスクを通じて回転し、地震などで変形する水平方向における変形角度を調整する機能により、ガラス皿孔部に発生する応力が小さくなっています。

●耐風圧性能
ガラスを点で支えるため、地震時など、強度の強いガラスでも変形が大きくなります。そこでたわみ量を考慮し設計を行い、ガラスの厚み、金物の数を決定することで耐風圧性能が強くなります。

EPG構法やPEG構法とも、ガラスを支えるという点では似ていますが、支える方法が異なります。DPG構法では、連結した複数のガラスを、梁からぶら下げる工法で、カーテンウォールなどと同様、風圧に強く耐震性があります。
これらのことから、最小の支持点でガラスを支えることができ、変形性能も優れているため、あらゆる構造体に採用され、高いビルなどにも多く使用されています。