「振り分け」という言葉の意味は、「全体を2つに分けること」あるいは「配分すること」である。建築業界でも、複数のケースで「振り分け」という言葉が使われている。

設計においては、基準となる線または点を中心として、上下や左右に寸法が同じになるよう割り振ることを「振り分け」という。部材1つ1つに限らず、建物全体の中央線に対して、基礎・柱・壁などをバランス良く配置する工程も「振り分け」と呼ぶことがある。
図面に書く場合、中央線は一点鎖線で表す。「CL」(Center Line=中央線)と上記することもある。中央線を基準として、上下や左右が均等になるよう振り分ける。

「中央振り分け」(センター振り分け)とは、中央線を基準とした寸法指示のこと。上下や左右が対称の部品の場合に、穴の位置を指示する時などに使われる。片側から寸法を追っていくのではなく、中心の位置を基準にして、両側の位置や大きさが等しくなるように振り分ける。

さらに、1つの部屋からそれぞれの部屋に入れる2K以上の間取りを「振り分け」と呼んでいる。自室に入る時に他の部屋に入らなくても済むため、プライバシーが守られるという利点がある。その一方で、活用できる床面積が減少する。