コンクリート劣化とは、文字通りコンクリートが劣化することを指します。ここでのコンクリートとは建築の柱、梁、床スラブなどの構造物にとどまらず、造作等も含みます。

コンクリートの劣化要因は様々ですが大きく分けると4つの要因を挙げることができます。一つ目は中性化によるもので、コンクリート中の鉄筋が腐食することで、底から発生する錆によって構造物の体積が増加しひび割れ等につながります。二つ目の要因は塩害です。これは構造物の表面に付着した塩分が、構造物内部の鉄筋に到達することで鉄筋を腐食させ、中性化と同様に構造物の体積が増加しひび割れ等を引き起こします。

三つ目はアルカリシリカ反応といって、コンクリートを構成する骨材に含まれる成分が特定の成分と反応することで骨材が膨張し、構造物にひび割れを生じさせます。四つ目は凍害です。寒冷地において、構造物に含まれる水分が1日の中で液体から固体、固体から液体と状態変化を繰り返し、体積の膨張収縮を繰り返した結果構造物の引張強度を超えひび割れを生じさせます。