原油とは、地球上で4万ヶ所とされる海上または陸上の油田から採掘された、鉄鉱石や石炭に並ぶ鉱物資源の一つで精製されていない黒く粘り気のある液体、石油のことを指します。

埋蔵の状態からみると、油層と呼ばれる石油を含む地層に対して油井(ゆせい)を設け採取する方法、油分を含む油母頁岩(ゆぼけつがん)、油質頁岩(ゆしつけつがん)、油頁岩(ゆけつがん)と呼ばれ、油母(ケロジェン)を含む母岩「頁岩(シェール)」から化学処理によって液状またはガス状の炭化水素を生成する方法、母岩が粘性の高い鉱物油を含む砂岩「油砂(ゆさ、オイルサンド)」からアスファルトに近い成分を採取する方法があります。

高圧破砕と呼ばれる採掘技術によって「頁岩油(けつがんゆ、シェールオイル)」を採取できるようになり、2010年頃からアメリカやカナダで生産量を増やす契機となったことから「シェール革命」とも呼ばれています。

原油の成分組成は、炭素83~87%、水素11~14%、硫黄5%以下、その他の元素2%以下で構成され、比重は0.8~0.98です。

紀元前3,000年頃には、防腐剤として天然のアスファルトがエジプトのミイラに使用されており、古くから生活に密接であったことが知れる一方で、枯渇の問題と地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出抑制の課題から代替エネルギーの研究が進んでいます。