廻り縁(まわりぶち)とは、天井と壁の接する部分に見切り材として回す枠のことを言います。
異なる面、材料に縁を設けて隙間を隠しつなぎ合わせる役目を持っています。見切縁(みきりぶち)とも言います。伝統建築ではその形状に意匠的な工夫が施されており、二段設置したに二重廻り縁、廻り縁の下部に装飾のための長押(なげし)を貼り付けたものもありました。
材質は檜や杉を用いており、茶室などでは丸太や竹を用いることもあります。近代の住宅では天井も壁も壁紙で仕上げることが多くなり、塩化ビニル製やウレタン樹脂製のものを用いて壁紙の張替え位置の目印にも用いられる様になりました。ビルでは耐久性を考慮してアルミ製のものを用いることが多くあり、取り付けは隠し釘と酢酸ビニル系接着剤で固定します。
また、地震などの揺れに備えてあえて天井と壁との隙間を多く設けた耐震天井用のもの等もあります。
なお、床と壁の接する部分の見切り材のことは巾木・幅木(はばき)と言います。欧米では廻り縁、幅木、腰見切り、額縁のことをモールディング(Molding)と呼び、伝統的なものや現代的な意匠を施したものが多くあります。