施工体系図とは、各下請人の所属会社名・工事の内容・施工工期・主任技術者名などが一目見てわかるようなフロー図のようなものをいい、施工体制台を基としている書類である。元請負業者(発注者と直接契約して建設工事を請け負う建設業者)によって作成される。施工体系図の記載事項については再下請負通知書・下請負業者編成表などの書類と一致する部分が多い。

施工体系図を作成することで、工事従事者全員が施工体制を明確に把握できる上、施工における責任の所在・役割が明確になる。さらに、監理技術者・主任技術者・専門技術者が適切に配置できる。

施工体系図の作成については次のように定められている。下請契約の請負金額が4,000万円以上の工事で作成しなければならないのは民間工事である。また、6,000万円以上の場合に作成しなければならないのは建築一式工事の場合である。公共工事では、請負金額に関係なくすべての工事で作成する義務がある。

また、公共工事・民間工事いずれの場合も掲示する必要がある。民間工事では、建設現場の従事者が目に留まる見やすい場所に掲示することが決められている。公共工事では、建設現場の工事従事者かつ地域の市民などにとって見やすい場所に掲示しなければならない。新たに下請業者を追加する場合や別の下請け業者に変更する場合は、相違がないよう施工体系図も同様に変更する必要がある。

建設業法における施工体系図の位置づけは「営業に関する図書」である。工事完了後10年間の保管期間が定められている。