CAEとは、Computer Aided Engineeringを略した言葉です。設計した製品の解析をコンピューターで行うという意味です。工業製品は従来、設計→試作品の製造→試験→不具合を設計に反映するという工程を繰り返してきました。膨大な労力を費やすこの作業を、コンピューター上で行えるのがCAEという技術です。

CAEは、CAD(computer Aided Design)で設計したデータを取り込み、コンピューター上で試作品を再現する。シミュレーションや評価・修正もすべてコンピューター上で行えます。試作品の製造や試験を繰り返すプロセスを減らせるため、時間短縮、資源の節約、コスト削減といったメリットにつながります。また無重力・真空・衝突・破壊・耐火といった再現が困難な試験も可能。自動車業界をはじめとする製造業や建設業界で次々に導入されています。

建築では、設計段階からCAEを用いてさまざまな解析が行えます。主な用途である構造解析は、荷重に対する部材の変形や応力などを求められるため、安全性確保のために不可欠な解析です。そのほか免震・延焼・ビル風・騒音などの災害対策から、結露・換気・熱・光といった住環境まで幅広いCAEソフトウエアが開発されています。