「共通仮設費」とは、工事費用を計上する際の勘定科目の1つである。
建築工事には必要だが、工期が終われば撤去されるものの設置費用は「仮設費」として計上する。このうち、建築工事に直接関係するものを「直接仮設費」、建築工事と直接の関係はないが工事の進行上必要となるものを「共通仮設費」として分けられる。
さらに、建物としては残らずとも公共建築工事で必要なものは「共通費」として計上する。この場合、国土交通省が定める「共通費基準」で算出しなければならない。共通費は「共通仮設費」「現場管理費」「一般管理費」に区分する。
共通仮設費に含まれるものは多岐に渡る。現場事務所や倉庫などの「仮設建物費」や、仮囲いや仮設歩道などの「工事設備費」といった、工期中だけ利用する設備が含まれる。それら以外にも、測量費や道路占用料など「準備費」・工事用の電気設備や給排水設備などの「動力源水道光熱費」・建築工事現場周辺の「屋外清掃費」なども「共通仮設費」として計上することも許される。
共通仮設費を計算する方法は、大きく分けて2つ。1つ1つの科目を合計するか、共通仮設費率から求める方法である。「共通仮設費率」とは、過去の実績から割り出された直接工事に対する比率のこと。
公共工事の場合、工事の規模により共通仮設費の上限と下限が定められている。新設かリフォームかなどでも異なる。