母屋下がりは、屋根の傾斜を利用するなどしてできる斜めにした天井のことです。たとえば、屋根が片流れであれば片側に向かって斜めにします。屋根の中心を頂点として両側に傾斜している場合は、両側の傾斜に合わせます。屋根の傾きに合わせることが多いのが特徴です。

母屋下がりが存在する理由には、用途地域が関係しています。用途地域は、12種類の中から市区町村が決定します。用途地域により自分勝手に建物を作ることは不可能です。そのため、用途地域に定められている制限等によって母屋下がりになってしまうのです。

また、混合しやすい建築用語として「匂配天井」、「傾斜天井」があります。屋根の勾配に合わせて斜めにした天井のことを指しています。天井は水平に作られているのが一般的です。そのため、天井裏や屋根裏と呼ばれるデッドスペースが生じてしまいます。勾配天井では、天井裏を作らずに吹き抜けのようにするため、デッドスペースがないのがメリットです。無駄な空間が存在しないことで部屋には開放感が生まれ、空間が広く感じられます。加えて、部屋の高さが増すため、通常よりも高い位置に窓を設けることが可能です。高い位置に窓があることにより、まるで天窓のように光を取り入れて部屋全体を明るく照らすこともできます。