主事とは、主に国や地方公共団体に勤務する公務員の職名として使われている言葉です。民間企業ではあまり聞き慣れないかもしれません。公務員には、部長・課長・係長といった民間企業でも使う役職名のほかに、主幹、主査、主事といった役職名があります。自治体によって階級の位置付けは異なりますが、主事は一番下の職名であることが一般的で、事務方の職員のことを指しています。

建築・土木設計、施工の分野で業務上必ず関わる主事は「建築主事」です。建築主事は、建築確認申請の審査や、建物の中間検査、完了検査を行い、確認済証を交付する責任者です。人口25万人以上の市・区役所には必ず建築主事が置かれています。それ以外の市町村は建築主事の設置は任意です。置かれていない市町村は、都道府県の土木事務所や都市整備局といった部署の建築主事が審査を行います。

建築主事とは、一級建築士の資格を持ち、2年以上の実務経験を経たのちに「建築基準適合判定資格者検定」に合格した公務員です。建築確認申請で提出された図面や書類の審査、および現場検査は複数の担当者が担いますが、最終的な責任者は建築主事です。主事は一番下の職名といわれますが、建築主事に限っては重要な役割であり能力が必要な役職と言えるでしょう。現在は一連の手続きを民間の「指定確認検査機関」が行えるようになったため、同じ資格を持ついわゆる「民間主事」も多く存在しています。