化学プラントとは、化学工場の敷地内にあるすべての設備を指す言葉です。製造・貯蔵といった設備から、配管、排水まで、建物や装置のすべての総称がプラントです。天然ガスの精製工場、製油所、発電所、製鉄所、生コン工場、上下水道施設、ごみ処理施設などもプラントにあたります。プラント建設は、土木建築設計だけでなく機械設計、配管設計、電気計装設計といった専門的で高度な技術が必要です。
化学プラントは、原料の化学反応を利用して製品を生産するプラントです。石油、石炭、天然ガスを原料とする「有機化学プラント」と、カセイソーダやアンモニア、硫酸といった無機化学品を生産する「無機化学プラント」の2種類に分けられます。
一般的に化学プラントといえば、石油化学プラントのことです。石油化学プラントは、原油を蒸留して得られる「ナフサ」から、エチレンやプロピレン、ベンゼンといった「基礎化学品」を製造します。それらはプラスチック、ゴム、合成洗剤、化学繊維、肥料、医薬品、農薬などの原料となる「中間化学品」に加工され、最終的に消費者が購入する多彩な製品が作られます。石油の精製からナフサ工場、化学プラントまで、すべての工場が集結しているのが石油コンビナートです。