追っかけとは、下地が乾ききらないうちにその次の処理をおこなうことです。たとえば、作業を始めたその日のうちに、下塗りから上塗りまでの処理をおこないます。本来であれば塗膜が十分に乾燥した状態で次の工程に進みます。

しかし、あえて完全に乾燥していない状態で上から塗っていくことで一体化させ、塗り継ぎムラなどをなくすことが可能です。ただ、追っかけのタイミングは難しく、早すぎると中塗りしっくいの砂が上塗りしっくいの表面に出てきます。逆に遅すぎると水引きが激しくなり上塗り施工時ブツ(気泡)が出てきたりします。同義語は「追っかけ塗り」です。

同じ読みで違う意味を持つ言葉に「追掛け」があります。「追掛け大栓継」ということもあります。あごを付けた相欠きの継手のことで、略鎌系の継手のひとつ。桁、母屋、梁などの継ぎ手として用いられます。非常に合理的な継手であり、男木と女木の区別がありません。両者が絡む顎の部分には、10分の1程度の滑り勾配を持たせて、二つの材を引き寄せ、胴付き部分が密着するようにします。両者ともに同じ形を作り上げていきますが、加工が複雑になり、その分だけ摩擦力が大きくなるため大きな力を持つのが特徴です。継ぎ手の中では、強固なもののひとつで、材成3倍程度の長さの継ぎ手が最も強度が期待できます。柱に近い位置が望ましいですが、柱を避けなければいけません。