CETUSーV(しーたす ふぁいぶ)とは、次世代社会インフラ用ロボットの一つで、五洋建設によって開発された大水深域構造物調査ロボットを指します。

次世代社会インフラ用ロボットは、国土交通省と経済産業省によって平成25年に設置された開発導入検討会により推進されるもので、災害現場での積極的な活用を目指した災害対応分野のロボットと、維持管理分野のロボットを技術を開発し、導入に向けた実用性の検証がされているものです。

CETUSーVは、維持管理分野のロボットに該当し、従来発想としての潜水士による調査で危惧される安全面や効率面に対応することが困難なため、水深40m以深の大水深となるダム堤体の点検、調査を、水中調査ロボットによって役割を担うものです。

高度経済成長期に建設され老朽化が進む社会インフラについて、効率的かつ効果的な維持管理が求められているという時代背景があります。

CETUSーVの仕様は、長さ100×幅70×高さ77(cm)、重量100kg、適用水深150m以浅、推進機である6基のスラスタにる前後左右上下への航行、最高航行速度50cm/s、高精細画像対応の計測用カメラ、構造物壁面をケレンする掃除ブラシ、壁面からの漏水量を検知する漏水検知装置を有し、タイヤ付きロッドを張り出して壁面へ機体を押し付け、壁面に沿って走行することができます。また、平行ラインレーザーの壁面への照射により、クラックや剥落面積などの壁面状況を計測することできます。

現場への設置については、トラッククレーンなどによって陸上からCETUSーVを吊り上げ、水面で遠隔操作によってケージから離脱させて水中へ投入する仕組みであるため(回収時はこの逆のプロセス)、人的な玉掛けと玉外し作業が不要となります。