ネコとはやモルタル、コンクリートなどの資材を人力で運搬するための道具。一般的には「手押し車」や「一輪車」とよばれている。工事現場では「ネコ」や「ネコ車」と呼ばれる。

語源は、逆さに伏せた時に丸まったネコの背中にその姿が似ていることからネコと呼ばれるという説や、狭い場所をネコのように通ることができるからネコと呼ばれる説、運搬の際にネコのようにゴロゴロと音を立てることに起因する説がある。先輩や職長から「ネコ持ってきて」と言われた場合、大概はこのネコのことを指しているため、決して野良猫を捕まえに行ってはいけない。

住宅街での小さな現場や、スケールの大きな工事現場でも、鉄骨や型枠が組みあがってくると建設機械が通ることができなくなるため、ネコを使うことがある。また、水の供給場所が限られている場合、供給場所と現場が離れていると作業性が悪いため、左官屋がネコでモルタルを練りそのまま現場へ運んでいくことがある。

その他、クランプやジャッキベースなどの細かい足場材を運搬するために鳶職人が使用するなどさまざまな用途があり、現場にあれば何かと便利な道具である。

ちなみに、ネコのために足場板などで作られた運搬路のことをネコ足場というが、キャットウォークとは別物である。

ネコ(手押し車)