「黄銅」は「おうどう」または「こうどう」と読む。銅に亜鉛を加えた合金。真鍮(しんちゅう)も銅と亜鉛の合金だが、黄銅と同じ物質を指しており、真鍮のほうがむしろ名称としては知られている。
黄銅は銅65%・亜鉛35%のものが一般的。他にも、銅6割・亜鉛4割の六四黄銅や、銅7割・亜鉛3割の七三黄銅などがある。亜鉛の割合を増やすと高度は増すが、同時に脆さも増すため、亜鉛の割合が45%を超える物は実用的ではなくなる。

黄銅は剛性を高めても加工しやすいため、複雑な形状や細かな装飾を作れる。また、黄銅は導電性が高いので、蛍光灯の口金などにも用いられる。銅と亜鉛の比率を変えれば赤・金などに色が変化し、さらに黄銅に錫やアルミニウムを加えて青などにもできる。

銅と黄銅の違いは、黄銅のほうが金色に近いため、装飾などで黄銅が使われる。銅は熱伝導性が高いのでフライパンや鍋などにも使われるが、黄銅製の物はさほどは多くない。また、黄銅は銅と亜鉛の化合物だが、青銅は銅に錫やリンを加えたもの。

普段よく目にするもので黄銅製の物は5円玉である。また、黄銅は綺麗な金色をしているため、アクセサリーや金管楽器・仏具・弾薬の薬莢などにも使われる。建築では、建具や水洗トイレの給水管、接続部品などに黄銅が使われている。