下端(したば)とは、部材の一番下の部分のことです。対義語には上端(うわば)や天端(てんば)があります。たとえば、梁の真下の天井高を知りたいときは、「床面から梁の下端までの寸法を測る」と表現します。造作家具の高さを決めるときは、「窓枠の下端合わせでカウンターを設置する」と指定すればわかりやすいでしょう。
下端という言葉が入った建築用語は多彩にあります。下端筋とは、鉄筋コンクリートの配筋のなかで一番下側にある鉄筋です。一番上にある鉄筋は上端筋といい、両者とも主筋として梁やスラブの水平方向に配筋され、荷重を負担します。
外壁の下端まわりから内部に雨が入り込まないように設置する部材は、下端水切(したばみずきり)といいます。木造住宅の場合は、外壁の下端(土台まわり)に金属製の「土台水切り」を設置します。バルコニーの下端まわりには、軒天に水がまわり込まないよう金属製の下端見切や、下端笠木と呼ばれる部材を設置します。
外壁を左官仕上げにする場合は、土台水切りの上に下端起こしをまわす必要があります。下端起こしはプラスチック製で穴が開いており、左官材料の付きをよくするとともに、左官仕上げの下端水切として機能します。