瀝青(れきせい)とは、炭化水素混合物の固体、半固体のものを言いますが、建築では道路舗装用材料、防水材、防腐剤に用いられるアスファルトやコールタール、ピッチなどを指します。欧州諸国ではビチューメン(Bitumen)と呼び、日本語に訳したものが瀝青となります。
油田地域では地層に燃える部分を「土瀝青(どれきせい)」と言い、天然アスファルトとなります。その使用の歴史は古く、古代メソポタミアで接着剤として、古代エジプトではミイラの防腐剤として用いられました。建設は旧約聖書の創世記でバベルの塔の建設のためにレンガの接着剤として使用されていたとされています。
日本では長崎のグラバー邸の庭の歩道や明治初期の東京神田川にかかる昌平橋の舗装に用いたとされています。現在は主に石油精製過程に派生する石油アスファルトが使用されています。アスファルトの特性としては低温で固体、高温で液体になり、道路舗装の骨材の接着剤として多く用いられます。鉄筋コンクリートの陸屋根にアスファルトを用いて防水を行うことが一般的で、不織布や布、紙などの繊維にアスファルトを含侵させたシートを用いた防水屋根のことを「アスファルトルーフィング」と言います。