耐力壁は、垂直および水平方向からかかる力に抵抗して建物を支えている壁のことを指します。たいりょくへき、たいりょくかべと呼び、建物には必須だといえます。柱も重さを支える役目を担っていますが、横からかかる強い力に対しては耐力壁の方が有効です。さまざまな種類があるのも特徴です。木造一戸建てで一般的に採用されているのは、筋交いを使用した耐力壁です。他にもツーバイフォー工法や鉄筋コンクリート造でも用いられています。

また、量だけではなく、どこに配置するかといったバランスも考慮しなければならないことには注意が必要です。バランスが悪ければ、地震や台風といった大きな力が加わる時に崩壊してしまう可能性が高まります。もともとは明確な規定がありませんでしたが、2000年に建築基準法が改正されました。各階の壁量のバランスを検証するためのより詳細な方法が盛り込まれたので、以前より、バランスが取れているかどうか判断しやすくなりました。

その他、マンションのような大規模な建造物であれば、構造計算を行い、必要な耐力壁の量や配置を決定します。一方、建築基準法第6条4号で規定されているような一般的な木造2階建ての建物では確認申請を簡略化することが認められています。