通り芯とは、建物の梁、壁、柱が通る線を指します。建築では共通の考え方となっていて、設計および施工を進める上で目印となっています。
土木にはこの考え方はあまりありません。理由は梁柱構造とする構造物が限られるからです。土木は線状構造物が多く、連続した壁、底版、頂版とする場合が多いです。土木ではステーションナンバーを基準とすることが一般的です。

通り芯の名称の付け方は様々ですが、一般的な付け方を紹介します。まず方向を示す記号を2つ選択します。例えばX,Yなどです。次にそれぞれの方向に番号を割り振っていきます。例えばX1,X2などです。この名称は設計図、設計計算書で共通となっており、場所の確認がしやすくなります。

また、工事を施工している際にも、どの順番で施工するか、どのように調整するかを打ち合わせる時に位置関係を明確にしながら話すことが出来ます。例えば、今日は別工事との調整で、X2,Y2の柱の次はX4,Y2の柱を施工してくださいと指示が明瞭になります。

設計と施工の調整をする際も、役立ちます。設計者に問い合わせる時に場所の説明を端的に言葉で説明することができて、即座に設計計算書を確認することが出来ます。建築工事での通り芯の考えは重要になります。