エアハンドリングユニットとは、多数の人が利用する大型建築物に設置する空気調和設備です。AHU、エアハンと略して呼ぶこともあります。フィルターを通した空気の温度や湿度を調整して供給し、室内環境を快適に保つ仕組みです。建築物衛生法で指定された特定建築物(3000㎡以上のオフィスビル、劇場、ショッピングモール、8000㎡以上の学校など)は、温度や湿度、二酸化炭素濃度や粉じんの割合などに基準があり、室内の空気を清浄に保つよう義務付けられています。建物の用途や規模に応じて、オーダーメイドで製造します。

エアハンドリングユニットを構成するのは、エアフィルター・熱交換機(温水・冷水コイル)・加湿装置・送風機(給気ファン)です。エアコンが冷媒(ガス)を利用するのに対し、エアハンドリングユニットは冷水・温水を使って空気の温度調節を行い、ダクトを通じて供給します。地下に熱源システムであるボイラーや冷凍機を設置し、屋上に冷却塔を設置するのが一般的な構造です。

エアハンドリングユニットは、建物全体またはフロアごとに一括して空調を行うセントラル方式です。エアコンのように室外機と対になった個別の空調方式ではありません。そのため、エアハンドリングユニットだけでは温度を制御しきれないことがあり、窓際や人が密集する会議室などは、個別にファンコイルユニット(天井付の冷暖房)を併用する場合があります。