宅地造成等規制法とは、がけの崩落や土砂流出など災害の危険性がある区域を定めて、無秩序な宅地造成工事を規制する法律です。「宅地造成工事規制区域」に指定された区域内で一定規模以上の宅地造成工事をする場合は、都道府県知事に許可申請を行います。
許可申請が必要な工事は以下の4つです。

1.切土により高さ2m超のがけができる造成工事
2.盛土により高さ1m超のがけができる造成工事
3.盛土と切土を合わせて高さ2m超のがけができる造成工事
4.切土・盛土の高さによらず面積が500㎡超になる造成工事

当該工事の擁壁や排水設備などが、災害を防止する措置として技術基準をクリアしているかどうか審査されます。申請が許可となってから造成工事に着手し、工事完了後は都道府県知事による完了検査を受けます。検査済証が交付されて初めて建築工事に着手できるのです。

宅地造成とは、建物を建てられるように土地を平らにすることです。「宅地」とは、必ずしも住宅の建設を目的とした土地という意味ではありません。また既存の擁壁が、老朽化によって安全性が危ぶまれる場合には、改善するよう命令を受けることがあります。なお、都市計画法の開発行為許可を受けた場合は、この区域にあっても許可申請は不要です。