胴付き(どうづき)とは、木工の接合部分でほぞなどの根元にあたる平面の部分をいう。2つの部材を接合させた時に、胴付きはもう一方の部材と接する部分でもある。
釘などを使わずに柱や梁を接合するためにほぞなどの継手が作られる。継手の接合を頑丈にするには、胴付きのような仕口を正確に作らなければならない。
ほぞの種類には、片胴付き・二方胴付き・三方胴付き・四方胴付きと呼ばれるものがある。四辺のうち胴付きが何方向あるかにより、ほぞの呼び名が変わる。胴付きが一方向にだけあるものが片胴付きである。
胴付きほぞ接ぎを加工するには、ます一方の木材を墨付けした後にノミや電動工具で継手を作り、胴付きをきれいに仕上げる。もう一方の木材にほぞ穴を作ったら、2つの部材を組み合わせ、木殺しなどで接合部分を頑丈にする。
胴付きをきれいに加工するための鋸を「胴付鋸」という。漢字で「導突鋸」や「銅突鋸」とも書く。読み方は「どうつきのこ」「どうづきのこ」「どうつきのこぎり」と分かれている。
胴付鋸は片側だけに刃が付いている。刃の厚さは0.2〜0.3mm程度しかなく、折れたり曲がったりしやすいので、鉄や真鍮製の背金で補強する。胴付鋸は、胴付きの加工以外にも、細かい箇所の加工や切断に使われている。