つり橋を建てるときに、橋梁の端に設置するコンクリートの塊が「アンカレッジ」です。アンカレッジによってつり橋のメインケーブルは固定されます。強風対策としても欠かせない部分だといえるでしょう。
メインケーブルの張力に耐えられるだけの強度がアンカレッジには必須です。そのうえで、地盤にもケーブルの張力を伝えなくてはなりません。つり橋の建築においてアンカレッジは非常に重要です。そのため、耐久力を考えて巨大になる特徴があります。ただし、観光名所では景観を損なわないよう、地中に埋め込んでしまうケースも珍しくありません。ちなみに、アンカレッジとはもともと、航海用語でした。語源は英語の「anchorage」で、「碇をおろす場所」という意味です。その言葉の「固定する」という部分から派生し、建築業界でも用いられるようになりました。日本では、つり橋の工事に関係する言葉としてのほうが有名です。
「建築施工管理技士」はアンカレッジとかかわる可能性が高い仕事です。建設工事において品質を管理するポジションなので、アンカレッジ設置の際には責任が大きいでしょう。また、アンカレッジを設計するのは「建築士」の役目です。つり橋を支えるために必要なサイズ、強度を計算する非常に重要な立場です。