施工者とは、基本的には建築現場で実際に工事を行う人全般を指す言葉である。比較的かしこまった言い方とされる。
施工者と呼ぶべき人の範囲は非常に広い。作業員や大工など、実際に建築現場で手や機械を動かして作業を行う人は当然含まれる。特に大きな建築現場では工事の種類が多く、多くの業者が出入りするため、施工者は必然的に多くなる。

その他にも、建築工事全体の責任を負う元請業者や、元請業者の依頼でそれぞれ専門的な工事を担当する下請け業者も、施工者と呼ぶべき人となる。つまり、元請け・下請け・孫請けのいずれもが施工者となる。
建築基準法には、工事施工者について定義する条文がある。それによると、工事施工者とは「工作物に関する工事の請負人」または「請負契約によらないで自ら工事をする者」となっている。

誤解されそうなのが、施工主と施工者の関係性。施工主とは、建築主から依頼を受けて建築する人や会社を指す。施工主と施工者との主従関係はなく、施工者はあくまでも建築工事に関わるすべての人をさすので注意が必要。
実際の建設現場で「施工者」という言葉を使う場面はあまり見られない。官公庁関係者との応答や建築主との契約など、建築現場から離れた所で使われることが多い。