トランシットは、主に測量の際に用いられる角度を計測する機器の一種で、精密に計測できるのが特徴です。三脚の上に据え付けて使用し、望遠鏡が鉛直軸と水平軸の2軸で回転して目標間の角度を計測します。測量では角度が数ミリでもずれてしまうと、距離が長くなればなるほど数メートル、あるいは何キロもずれてしまいます。よって、角度を精密に計測できるトランシットは建築分野で重宝されています。ただ、精密機器なので落下や衝撃を与えないようにする。加えて、平らな場所に三脚を立てないと誤差が多くなってしまうので気を付ける必要がある。

また、角度測定の機器という点において同様の意味を持つものを、セオドライトといいます。精度を重視し、ヨーロッパで作成されたものはセオドライト、使いやすさに重点をおいて作成されたものはトランシットと呼ばれる傾向があります。

その他、トランシットは大きく3つに分けられます。「光学セオドライト」は、分度盤の角度情報を光学的に拡大して読み取り、それをもとに角度を計測します。「レーザーセオドライト」は、レーザーを照射して角度を計測します。「デジタルセオドライト」は、任意の点と点の間の水平角をデジタル制御によって自動で測定できるものです。一般的には水平儀のことを指します。

【参考動画】

こちらの動画ではトランシットの手順について紹介されています。