サーモスタットは、自動的に温度を一定に保つための装置のことを意味しています。1600年ごろから似たような機器を使用していた記録が残っているほど、長い歴史を有しています。中でも発明として残っているのは、1885年(明治18年)のアルバート・バッツによるプロセス制御です。1936年(昭和11年)にはワックス粒の膨張を用いたサーモスタットが発明され、水冷エンジンの自動車部品として普及しました。
現在は、さまざまな場面で活用されています。具体的には、水栓金具やガス用具、こたつ、オーブントースターなどです。加えて、車のエンジンの燃焼効率を高める部品としても用いられています。また、サーモスタットはさまざまな方法で構築できるのが特徴です。その際、温度の測定にはいろいろなセンサが用いられます。
最もシンプルな構成といえばスイッチとヒーターを組み合わせたものです。熱膨張係数の異なる2つの金属板を張り合わせてできるバイメタルを用いることにより、温度調整します。バイメタル以外もあり、条件に応じて使い分けがされています。「ダイヤフラム式」は、気体の膨張を利用して作られます。「サーミスター」は、半導体を利用しています。