スラントとは、建築物や構造物の傾斜している面の角度や勾配を測定する器具です。土木工事、建築工事のほか配管工事や内装工事にも活用されています。測定するだけでなく、設定した角度や勾配まで対象物を動かす作業にも使えるため大変便利な道具です。防水加工が施されており、屋外での使用も安心。目盛りが大きくて見やすいものや鉄骨工事に便利なマグネット式のものなど、多様な商品が市販されています。

測定方法はいたって簡単です。傾斜している面にスラントをあてて目盛りを読むことで、角度や勾配がすぐに分かります。スラントには測定方法が異なる数種類のタイプがあり、気泡を中心に合わせることで水平を示す気泡管タイプが基本です。そのほか指針の反対側にある重りが重力の方向に作用して角度を示すタイプ、デジタル表示で測定するタイプがあり、用途で使い分けます。商品によっては建築用と土木用で測定面が分かれているものもあり、使用する際には注意が必要です。

建築や土木の工事では角度はあまり使われず、勾配(4寸勾配、3分勾配など)で表わすことが多いものです。そのため目盛りは0°~90°までの角度に加え、勾配の数値も一目で分かるようになっています。