建築業界で「ラムス」といえば、システム名と人名の2つで使われることが多い。
「RaMS」と表記する場合は、放射線量を計測するシステムを指す。放射線を検出できるシンチレーション検出器を車両後部に搭載し、時速30km程度で車両を走らせながら放射線量を計測していく。等間隔で空間線量率を測定可能で、住宅地や工業地帯の除染事業などで役立てられている。

さらに、地理システム上に計測データを出力することで、市街地区単位での可視化ができるようになる。同時に複数のカメラを作動させて360度方向を一定間隔で撮影することも可能である。
Dieter Rams(ディーター・ラムス)とは、1932年にドイツで生まれた工業デザイナーである。大工だった祖父の影響で、少年時代より建築家を志すようになる。

ラムスは建築学を学んだ後、家電メーカーのブラウンに入社。デザイン部門のディレクターとして長く勤務する。
「より少なく、しかしより良く」というデザインアプローチで知られている。シンプルさと機能美を兼ね備えた、通称「白雪姫の棺」で知られるレコードプレーヤーのSK-4が代表作といえる。ラムスの作品は、ニューヨーク近代美術館など全世界の博物館で所蔵されている。