GHPとは、「ガスヒートポンプ」の略称である。「ガスヒーポン」という呼び名もあるが、意味は同じ。空調システムの1種である。
GHPはヒートポンプサイクルを利用して空気を冷却する。液体が気化した時は周囲の熱を奪い、逆に気体が凝縮する時は熱を発生する。そのような性質を利用して、冷媒を圧縮機で循環させることにより、気化と液化を繰り返すものがヒートポンプサイクルである。

GHPと似た装置にEHPがある。EHPは電気モーターでヒートポンプを駆動させるが、GHPはガスエンジンを使用する。
GHPは学校や病院、スーパーや工場など、広い空間の冷暖房に活用されている。ガスエンジンを使用するタクシーにも、GHPが使われる事例もある。

GHPはガスを使用するため、EHPよりも消費電力がかなり抑えられる。環境に優しく、災害などによる電力不足にも対応できる。また、ヒートポンプの暖房能力とガスエンジンの排熱による相乗効果があるため、暖房の立ち上がりが早い。
ただし、GHPは大掛かりなヒートポンプシステムを導入するため、初期導入のコストは高くなる。設置するための広い空間を確保しなければならない。定期点検が必要で、部品交換などのメンテナンスに時間が掛かる。