カウンターウェイトとは、昇降機、揚重機、舞台装置などの吊り上つげ荷重との「つり合い錘(おもり)」のことを言います。ビルやマンションで用いられているロープ式エレベーターには、ロープの両端には利用者や荷物を乗せるカゴとそのかごの重さと定格積載量の半分の重さのカウンターウェイトがあります。
そのロープの巻上機を用いて効率的にかごを昇降させます。高層ビル建設に用いる水平ジブ型タワークレーンでは、つり上げる荷物とクレーンの一部の荷重とのバランスをとるために、旋回部分の後方にカウンターウェイトを取り付けます。フォークリフトは重い荷物を持ち上げる際、前面に転倒しないように、車体の後方に最大となる荷揚げ荷重に相当するカウンターウェイトを積んで、前輪を支点としてバランスをとっています。
劇場などの舞台装置では、美術バトン、照明用バトン、緞帳(だんちょう)幕をつり上げる昇降装置があります。これもロープ式エレベーターと同様にロープの端部にはカウンターウェイトが繋がれており、荷重のバランスをとりながら、舞台装置の上げ下げを行います。また、ケーブルカーでロープの両端に車両が繋がり、相互のカウンターウェイトの役割を果たしながら、急な斜面を走行します。