概略(がいりゃく)とは、細かな部分を略し、その内容を示すことです。建設業では詳細な設計図面を作成する前に、建物の規模や工法、概要を示した概略図(概略図)を作成し、発注者への説明などに用います。手書きで図面を作成している時代では、定規を用いて図面を描く前に、フリーハンドで建物の平面図や断面図、外観や内観のパースを作成しました。

法規制や面積、階高、仕上げ仕様は文章で記載して、出来るだけ完成時のイメージが付きやすい様に工夫を行います。システムの概略を示す場合には、ダイヤグラムやフローチャートを用いて、それぞれの繋がり、動きを説明します。最近ではCADやBIMが浸透し、コンピュータで概略を示すことが多くなりました。初期に簡単な線で平面図や断面図を記載し、設計を進めながら詳細な線を描き加えていきます。

また、描いた線は部材データに置き換え、3Dでのイメージ確認が出来るようになります。そのデータは積算(せきさん)にも用いられ、見積書も自動的に作成されるようになります。将来的にはそのままロボットで作る時代が来るかもしれません。同じものが無く、新たなものを作る建設業にとっては、概略を示すことでこれから作るもののイメージを共有する大切なものです。