モノコック構造とは、柱や梁の骨組みの代わりに、壁や床などの強度で構成される建築物のことを言います。元来は飛行機や自動車などのフレームの代わりにボディなどの外装材で強度を持つ構造体を指しています。日本の在来の木造建築物では、木の柱や梁で組んだ軸組構造となっていました。近年、欧米で開発された2×4(ツーバイフォー)工法によるモノコック構造が採用されるようになりました。これは基本となる壁構造体に2インチ×4インチの木材に合板を貼り合わせて作ることに由来しています。
建築技法はマニュアル化されており、品質にばらつきが少なく、耐震性にも優れ、施工も短期間で行われます。気密性、断熱性に優れたメリットもありますが、間仕切りの壁が構造体となることから、間取りの変更がしにくいデメリットもあります。コンクリートの場合、主にコンクリートで出来た壁や床が構造体となる工法を言います。コンクリートは不燃材料となるので耐火性能があり、遮音性や気密性にも優れています。室内に柱形や梁型が出ないことから、共同住宅などで多く用いられる構造となります。モノコック構造の中にシェル構造もあります。名前の通り貝殻のような曲線を利用して屋根や壁を形成し、強靭な構造体を作ります。
今後は3Dプリンターの技術を応用した建物建設も行われるようになりますので、更に自由な形のモノコック構造の建築が現れてくると考えられます。