技術士とは技術士法(昭和58年)によって定められた国家資格で、科学技術に関する技術的専門知識と高等の専門的応用能力および豊富な実務経験を有し、公益を確保するため高い技術者倫理を備えていることを認定された技術者である。
技術士試験に合格し所轄官庁(文部化科学省)に登録することにより、その分野の技術業務に技術士という称号を用いて携わることができる。
技術士に定められているのは名称独占であり、建築士が設計や工事監理について業務独占が定められているのとは異なるが、公共事業(主に土木分野)では業務に携わる管理技術者の資格与件として当該技術部門の技術士を指定するケースも多く、建設関係の技術コンサルタントにとっては重要な資格である。
技術部門は機械、電気電子、建設、上下水道、農業、情報工学、応用理学、環境など現在21部門があるが全体の約6割を建設部門が占めている。
技術士試験は一次試験と二次試験に分かれる。指定された教育課程を修了した者と一次試験合格者は修習技術者と呼ばれ、そこから一定期間を超える実務経験を踏むことで二次試験の受験資格が得られる。つまり一次試験は理工学系の大卒と同等の知識を問う試験である。
二次試験は筆記試験と口頭試験によって行われ、技術部門についての専門的学識、高等な応用能力、総合的な判断能力が求められる。口頭試験に進めるのは筆記試験合格者だけである。