浄化槽管理士(じょうかそうかんりし)とは、浄化槽法に定められた浄化槽の保守点検業務を行える国家資格となります。日本では明治以降、都市部を中心に西洋の生活様式が取り入れられ、トイレの水洗化が増加してきました。それによりかつてのトイレからのし尿は汲み取り・運搬処分の方式から、下水道・し尿処理の方式に代わってきました。

法律も汚水溜め(おすいだめ)の管理を規定した「清掃法」の中で、大正9年に「市街地建築物法施行規則及び汚物清掃法施行規則の一部改正」により、「汚物処理槽」の設置が規定されました。昭和25年に「市街地建築物法」に代わって「建築基準法」が制定され、し尿浄化槽の「構造基準」が定められました。昭和44年には生活様式の変化に対応して、従来の構造基準の対象を水洗トイレからの汚水のみから、生活雑排水も併せて処理を行う合併処理浄化槽の構造基準も定められる様になりました。

昭和58年には「浄化槽によるし尿および雑排水の適切な処理を図り、生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与すること」を目的として「浄化槽法」が制定されました。浄化槽管理士は「浄化槽法」の中で定められており、資格取得には試験の合格か、年に数回、各地で行われる講習の修了が必要となります。