防犯設備士とは、防犯対策の専門家です。防犯設備の設計、施工から維持管理まで、防犯全般の知識や技術を持ったスペシャリストです。防犯設備とは、防犯カメラ、侵入警報装置、インターホンといった建物に設置する防犯設備を指しますが、防犯ガラスや防犯グッズなどについても幅広い知識が必要です。
また近年増え続けているサイバー犯罪や、高齢者を狙った振り込め詐欺などにも対応するスキルが求められています。住宅や企業など個別単位の防犯対策だけでなく、地域全体の安全に目を向けることも防犯設備士の役割です。自治体による監視カメラ設置事業では、防犯設備士の資格が生かされることがあります。安心して暮らせるまちづくりに大きく貢献できる防犯設備士は、今後活躍が期待される資格です。
防犯設備士は、公益社団法人「日本防犯設備協会」の認定資格です。警察庁の指導により資格認定試験が開始され、現在は協会の自主事業となりました。試験は1年に4回全国で行われており、事前に送付されるテキスト(防犯設備士テキスト本編・資料編)と、オンライン配信の講習で学習してから受験します。また、3年ごとの更新制度があり、講習を受けて新しい犯罪情勢に関する知識を深めた人は、より社会的信用の高い「防犯設備士(優良)」資格証が交付されます。防犯設備士の上位資格には「総合防犯設備士」があります。