補償業務管理士とは、公共工事の用地取得業務を行う資格です。公共事業において、道路、公園、ダムなどの整備用地を取得する場合には、土地や建物の所有者に対する売買、移転の交渉が必要です。補償業務管理士は、国や地方自治体の委託を受け、所有者に対して適正・公平な補償交渉を行います。用地補償業務を行うには、補償業務管理士を責任者に置き、補償コンサルタント業として国土交通省へ登録しなければなりません。
補償業務管理士は、「一社 日本補償コンサルタント協会」が実施する研修を受講し、検定試験に合格することで取得できます。研修と検定試験は「共通科目」と「専門科目」に分かれており、専門科目はさらに以下のような8部門に分かれています。専門科目は1部門から受験でき、1回の試験で2部門以上の受験も可能です。
<専門科目 部門別>
・土地調査
・土地評価
・物件
・機械工作物
・営業補償・特殊補償
・事業損失
・補償関連
・総合補償
測量士や建築士、不動産鑑定士、公認会計士といった国家資格を保有している人は、その分野に関わる専門科目(たとえば建築士は物件と事業損失の部門)について研修と試験を受ける必要がなく、共通科目に合格すれば資格を取得できます。
過去に専門科目の1部門以上に合格している人は、共通科目の研修と試験を受ける必要はなく、専門科目だけを受験できます。また総合補償部門は、3つ以上の部門(補償関連部門を含む)で補償業務管理士に合格、登録している人だけが受験できます。