ガス主任技術者とは、ガス工作物の工事・維持・運用ができる保安監督のこと。ガス事業法により、ガス工作物の工事・維持・運用に関わる業務を行う場合はガス主任技術者を選任しなければならないとされている。そのため、ガス主任技術者はガス工作物を取り扱うガス事業社などで欠かせない存在であるといえる。

ガス主任技術者として業務を行うためには、国家資格であるガス主任技術者試験に合格する必要がある。試験合格後、各都道府県に申請することによって資格を取得できる。資格種別には甲種・乙種・丙種の3種類があり、それぞれ監督できる範囲が異なるが甲種が最高位の資格とされている。JIA(一般財団法人日本ガス機器検査教会)が毎年1回実施している。マークシートによる択一問題と論述問題が出題されるが、年齢・学科指定などの受験資格は設定されていないため、ガス事業者以外でも誰でも受験できる試験である。しかし、一番易しいとされる丙種の合格率は20%前後であることから決して簡単な試験とはいえない。

ガス主任技術者の資格保有者であっても高圧ガスの製造に関する職務は行えない。また一般家庭に設置されているガス給湯器などを設置する工事には携わることができず、液化石油ガス設備士・ガス可とう管接続工事監督者・簡易内管施工士などの資格が必要である。