建築におけるやり方とは、基礎工事に着手する前に、内外面などの水平位置を表示するため、また基礎にあたる高さの基準とするために設ける仮設物を指す。漢字では「遣り方」と書く。丁張り(ちょうはり)や水盛り(みずもり)とも言う。
基礎コンクリートなど動かないものに基準墨を移した後は、やり方が必要でなくなるため撤去される。現場が市街地や地下などの場合には、道路やブロック塀などの動かない場所に墨出しし、必要に応じてポイント釘を打つなどする。
規模の大きな建築物ではではやり方を実施しない。トランシットやレベルといった測量機器を使用して、ベンチマークや固定物、あるいは新たに設置した杭などに設けられた基準点からレベルや基準墨を出す。
手順の一例としては、まずおよそ1.8m間隔で打った水杭を糸などで結び、敷地の境界間の距離を確認しながら境界線を明確にしていく。次に地縄を張って建物の位置を確定させ、地縄と平行になるよう四隅に水杭を打つ。水杭を打ち込んで高さの基準を決め、水貫(横板)の高さを設定したら水平に留める。
次に、墨出しをして、水貫に釘を打って水糸を張る。水糸が交差する点を直角になるよう矩出ししなければならない。水糸の位置や高さが施工の基準となるため、最後に図面などを見て確認しておく。

また、現場が市街地だったり、地下工事が実施されるケースでは、道路やコンクリートブロック塀などの動かない場所に墨出し後、必要に応じてポイント釘を打つ必要があります。一般的に規模の大きな建物のケースでは、その都度測量機器を使用するため、やりかたを実施しないこともあります。

その他、作業に用いられる道具はさまざまです。「トランシット」は、直線や角度を測定する機械です。「レベル」は、水平測量に使用される測量機器です。「大曲(おおがね)」は、現場で製作された直角三角定規のことを指します。「ばか定規」は、水杭に基準高さを移す際に使用される定規です。「下げ振り」は、糸の先に円錐形のおもりがついている道具です。

【参考動画】

こちらの動画ではやり方の作成について解説されています。