はらむとは掘削した土留め壁(壁や擁壁)・コンクリートが曲線的に少し膨らんだことをいいます。「土留壁が少しはらんでいる」といった使い方をされています。
硬化前のコンクリートは、水圧が型枠の横方向に向かいます。型枠の下端になればなるほど支保工や締め付け金具にコンクリートの水圧が大きく加わります。
型枠の組立時には無圧なので、問題がなくてもコンクリート打設時のを投入スピードや投入量によって部分的にに水圧がかかることで締め付け金具が少しずつ伸びていき、大きな面にあっては曲率の大きな変形を生じる結果になることがあります。この曲線になった垂直面を「はらむ」といいます。その偏りを修正せずにコンクリートが硬化してしまうと、はらんだ面となります。
品質管理の点では、はらんだ面はコンクリートの厚みが多くなり、計画コンクリート量よりも増加します。硬化後にはらみを斫って凹凸をなくすか、はらんだ面までコンクリートをかさ上げして凸凹をなくすかは、場所によって変わります。斫りの打撃によってコンクリート面にひび割れが生じ漏水の原因になる可能性もあります。どのように対処するかは慎重な検討が必要となります。