ポルトランドセメントは、一般的に日本で用いられているセメントとして知られています。また、6つに分類されていることはひとつの特徴です。「普通」は、工事の際あるいは製品を作る過程で最も多く用いられています。「早強」は、迅速に高い強度が発現し、加えて長い期間にわたって強度の増進を示します。
寒中コンクリートや工期の短縮が必要となるケース、工場製品などで用いられます。「超早強」は、3CSを多くして粉末度を細かくしているのが特徴です。緊急を要する工事や、グラウト用などで用いられていましたが、近年は造られていません。「中庸熱」は、水和熱を下げるようになっており、ダムなどで用いられます。初めの強度は大きくありませんが、長い期間の強度が大きいのも特徴のひとつです。「低熱」は、高強度域での強度発現が良いという特徴があります。
さらに、高い流動性が得られやすいのも魅力です。「耐硫酸塩」は、硫酸塩を含んでいる土壌地帯での施工に向いています。さらに、耐海水性にも優れているという特徴を有しています。中近東方面へ輸出されることが多いです。その他、6種類それぞれに低アルカリ形が存在していることが知られています。それらを加えて、全部で12種類がJISに規定されています。