干潟(ひがた)とは、湾や河口の場所で、河川から流れてきた砂や泥が堆積した部分で、干潮時に現れる土地のことを言います。干潟は生物の宝庫とも言われ、海水と淡水が混じり合い、多くの渡り鳥などの動物や昆虫、魚貝類が生育しています。国内では有明海の干潟が最大で、干潟面積は188㎞2程となります。独自の生態系があり、全国的にも珍しいムツゴロウが生息しています。国内では、農耕地や平地を確保するために、干潟の埋立てが行われて来ました。
東京湾でも江戸時代から昭和にかけて、河口域を中心に埋立てが進められ、明治後期に136km2あった干潟も昭和では10km2まで減少しました。また、秋田県ではかつて琵琶湖に次ぐ広さの八郎潟を20年に及ぶ干拓工事により、17,203haの土地を作りました。干拓により八郎潟は多くの動物、植物と共存しながら、大規模農業を行うことが出来るようになりました。世界最大の干潟はドイツ、オランダ、デンマークにまたがるワッデン海で世界遺産にも登録されています。全長約500㎞、総面積11,000㎞2になります。3200種類の生物が生息しており、世界的にも珍しい生き物もいます。これまでは海運や交通の便により干拓が進められてきましたが、これからは環境維持も配慮し、環境共生型の開発が進められるようになりました。